研究課題/領域番号 |
24760514
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研究機関 | 兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所 |
研究代表者 |
天野 圭子 兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所, その他部局等, 研究員 (20560220)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 高齢者 / 食料品購入 / 医療受診 |
研究概要 |
平成24年度の目標は、自立高齢者の「買い物・医療受診」行為における「移動型」「訪問型」サービスの(1)法制度や事例の整理、(2)現状とニーズに関するデータ収集・分析である。以下、具体的に示す。 (1)地域の交通・物流事業の中で、自立高齢者が「買い物・医療受診」行動のために利用することができるサービスを公共・民間を問わず法制度・導入過程・行政の関わりから整理した。具体的に扱った内容は、買い物サービスにおいては買い物代行、ネットスーパー等、医療受診は、医療提供体制、在宅受診、地域密着型サービス等である。 (2)兵庫県猪名川町で在宅生活を送る65歳以上の高齢者を対象に「買い物・医療受診」行動に関する現状およびニーズ把握を目的にアンケート調査を実施した。分析結果について述べる。 現状では買い物・医療受診ともに食料品店まで出かける、通院するといった「移動型」の行動をとっている者が多い。しかしながら、買い物に限っては外出時歩行能力による差もみられる。単独(個人)で外出する者は外出時歩行能力が高いほど食料品店まで外出する割合が多く、低くなるにつれて少ないが、他者(血縁・地縁)が同伴する場合は外出時の歩行能力によらず一定の割合があることが伺えた。 ニーズとしては、買い物行動では「訪問型」の宅配サービスが望まれており、現状の行動とニーズに差異がみられた。医療受診については、医療サービスを自ら選びたいという意識から「施設の選択自由度」との関係性が強い。医療機関がない地域では医療サービスの選択機会を増やすために、移動手段の充実に期待する傾向があるが、複数の医療機関がある(医療機関を選ぶことができる)地域では在宅受診を望む者も見受けられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の実施目標である、(1)事業導入の法制度・導入過程・行政の関わり等の整理、および(2)高齢者のデータ収集・分析について計画通り進めることができた。また、調査を実施するにあたり対象地域である兵庫県猪名川町の担当課とは協力関係を築くことができており、次年度の取り組みについても問題ない。得られた結果について日本福祉のまちづくり学会大会への投稿を行っており、研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は当初の予定通り、平成24年度に集めたデータについて分析を深めるとともに、「施設までのアクセスに要する時間距離」と「施設の選択自由度」による地域特性に応じた「移動型」「訪問型」サービスの類型化を行う。これにより、事業導入の指標を検討する。また、2年間で得られた内容を広く発信していくことも目指す。 具体的には以下の内容で計画を進めていく。 (1)前年度得た高齢者のデータを、地図データソフトを用いて整理・類型化する。また、必要に応じて追調査する。 (2)高齢者のデータをもとに「施設までのアクセスに要する時間距離」と「施設の選択自由度」という地域特性に応じた「移動型」「訪問型」サービスの類型化を行う。この結果を踏まえて事業導入の指標を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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