研究課題/領域番号 |
24760518
|
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
是澤 紀子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40431978)
|
キーワード | 中世 / 神社建築 / 細部装飾 |
研究概要 |
本研究の目的は、中世後期から近世にかけて装飾が発展してゆく神社本殿とその景観を対象として、建築形態や細部装飾のみならず、神社本殿が位置する境内、そして周辺環境が一体となって形成してきた歴史的環境をとらえ、信仰とともに神社にあらわれた景観と、そこでの意匠的特質を解明することである。 本年度は、昨年度に引き続き、指定文化財建造物を中心に、中世後期から近世にかけての神社本殿を有する神社を抽出し、それらの史資料の収集および整理をすることによって、建築形態および細部装飾、建築年代、祭神等にかんするデータベース化をすすめた。 遺構が多く現存する畿内のうち、摂津・河内・泉に位置する神社本殿に着目して検討したところ、祭神数が千鳥破風数や内陣の室数に表れる傾向を確認でき、内外陣の区別は天分頃からより明確になっていくことがうかがえる。なお、細部意匠に関しては、神社本殿の側面および背後における境内の配置構成と細部装飾の取り付く部位とに関係性が見出せた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
修理工事報告書を中心としたデータベース化は、まず畿内を中心にすすめている。畿内に現存する遺構が多いため、やや遅れている状況である。その他の地域における神社建築の史資料収集が今年度の課題となる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、国宝および重要文化財建造物として指定されている神社本殿について、畿内に留まらず、他地域のデータベース化を進める。そのうえで、修理工事報告書を中心として細部装飾の取り付く部位と種類についての分析を行う、さらに、これらの神社建築に関する絵図史料の収集を行い、周辺環境がもたらす領域形成やそこに描かれた植生について分析を行う。
|