空家率が13%を超え、さらなる住宅ストックの有効活用が期待される中、少子高齢化・遺産相続・維持管理費用などの理由で建築遺産的価値のある住宅が継承されずに姿を消している。そこで、戦後住宅建築の評価の確立と良好な住宅ストックシステムの構築を目的に調査を行った。建築家による戸建住宅団地の変遷、住宅建築遺産の活用・継承、建築ボランティアガイドの運営課題などから、1)理想の住宅地像が共有できれば、持続可能な住宅地として良好に住み継がれていくこと、2)住宅遺産の継承には、所有者と、地域もしくは専門家との連携が必要なこと、3)建築的価値の十分な理解には、情報提供など専門家の手助けが必要なことを明らかにした。
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