本研究は,金属固溶体相における軽元素の固溶限を計測する新たな手法の確立を主たる目的とした.本研究で提案した手法は,まず金属基材表面にCを蒸着し,熱処理により内方拡散させ,グロー放電発光分光分析法で深さ方向の濃度プロファイルを計測して固溶限を決定することを骨子とする.本手法は,難浸炭性材料に容易にCを浸透させることができ,濃度プロファイルを解析して固溶限を決定することに特徴がある.固溶限が既知のNi-C二元系で本手法の有効性を確認した.この手法をPt-C系に適用して,現在までに報告のないPt中におけるCの固溶限を決定した.
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