本研究では、層状シリケート型新強誘電体であるBi2SiO5の強誘電性発現機構の解明を通して、地殻に豊富に存在する酸素四面体型酸化物を用いた環境に優しい強誘電体の設計原理の創出に成功した。また、そこで得られた知見に基づいて充填トリジマイト型酸化物および充填ソーダライト型酸化物における機能性誘電体材料開発に取り組んだ。これらの物質系においては、強誘電性相転移に伴う誘電率の発散的な増大を伴わない外因性強誘電性の制御に成功し、特に充填ソーダライト型酸化物においては、焦電型赤外線センサとして現行のPZTに匹敵する特性の創出に成功した。
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