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2012 年度 実施状況報告書

優れた水素吸放出特性を発揮する共連続構造マグネシウムナノコンポジット材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24760566
研究機関東北大学

研究代表者

和田 武  東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10431602)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード水素吸蔵合金
研究概要

平成24年度は金属溶湯デアロイングによるMg/TM(TM:Fe、Cr、Ti、V等)合金コンポジットの組織制御法について重点的に研究を行った。特に、Fe-Ni前駆合金、Cr-Ni前駆合金、Ti-Cu前駆合金、V-Ni前駆合金、(Ti-Cr-Zr)-Cu前駆合金それぞれをMg溶湯に浸漬した際に生じるデアロイング反応とそれによって生じるMg-TM複合組織について調べた。その結果、上記の前駆合金に含まれるNi(もしくはCu)がMg浴に溶出し、残されたTM原子同士が凝集することによってTMが連続的組織を生成した。この原理によってMg/Fe、Mg/Cr、Mg/Ti、Mg/V、Mg/(Ti-Cr-Zr)系コンポジット材料を得ることに成功した。これらのコンポジット材料の組織は数百ナノメートルから数ミクロンオーダーのMgとTMが互いに絡み合った共連続構造を有していた。コンポジット中に含まれるMgとTMの割合は前駆合金中のTMとNi(若しくはCu)の割合に応じて変化させることが出来た。また、共連続構造はMg浴温度が高いほど粗大になる傾向があったが、いずれの温度においても共連続構造が失われることが無く、互いに相似的な形態を維持していた。また、金属溶湯中で共連続構造が形成されるメカニズム調べるためにコンポジット組織と作製温度と作製時間の関係を系統的に調べた結果、共連続構造はTM元素が前駆合金とMg溶湯との界面において拡散・凝集することによって形成されていることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コンポジットの作製と組織制御法の確立については概ね研究計画の通りに進めることが出来た。水素吸蔵実験はやや遅れており、平成25年度前半から取り組む予定である。

今後の研究の推進方策

平成25年度前半において共連続コンポジットの水素吸蔵特性を明らかにする。その結果と平成24年度の組織制御に関する知見を基に水素吸蔵放性能の向上を目指す。水素化速度を向上させる元素や水素化物を不安定化させる元素を添加を試み、コンポジットの水素吸蔵放出特性を改善する。また、コンポジットの第二相に異なる金属を使用してMg相に生じる圧縮ひずみ量を変化させ、水素放出圧力に及ぼす圧縮弾性ひずみの影響を解明する。

次年度の研究費の使用計画

本年度の研究費は主に試料作製に必要となる地金、溶解ルツボ、熱電対や水素吸蔵放出試験の試料セルやガスケットなどの消耗品、成果発表旅費、論文投稿料に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Three-dimensional open-cell macroporous iron, chromium and ferritic stainless steel2013

    • 著者名/発表者名
      T. Wada, H. Kato
    • 雑誌名

      Scripta Materialia

      巻: 68 ページ: 699-702

    • DOI

      10.1016/j.scriptamat.2013.01.011

    • 査読あり
  • [学会発表] 金属溶湯デアロイング法によるオープンポーラスFeおよびCrの作製2013

    • 著者名/発表者名
      和田 武、加藤 秀実
    • 学会等名
      日本金属学会春季大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130327-20130329
  • [学会発表] Preparation of Nanoporous Titanium by Dealloying with Metallic Melt2012

    • 著者名/発表者名
      T. Wada, K. Yubuta, H. Kato
    • 学会等名
      IUMRS-ICA 2012
    • 発表場所
      Busan, Korea
    • 年月日
      20120826-20120831

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公開日: 2014-07-24  

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