研究概要 |
本研究では、貴金属をアモルファスTi-Cu合金に微量に添加し、フッ酸脱合金化処理によって孔径10nm以下の超微細多孔質を作製することを第一の目的とした。そして作製したナノポーラス銅にAu,Ptメッキしたものや貴金属添加したナノポーラス銅の触媒特性を調査し、本研究で見出した孔径10nm以下の各三元アモルファス合金系から得たナノポーラス銅を触媒材料として発展させることを第二の目的とした。高純度Ti、Cu、NMs(NMs:Ag、Au、Ni、Pd、Pt)を用いて、アーク熔解法とメルトスバン法で、アモルファスTi-Cu-NMsリボン合金を作製した。各合金系はアモルファス前駆体合金の作製に成功した。走査型電子顕微鏡と透過電子顕微鏡を用いて脱合金化処理した孔径と靭帯の特征サイズなどの変化、残留金属相の組成、結晶状態、形態などを確認し、Au,Ni, Pd, Ptなどの貴金属を添加したアモルファス前駆体合金から孔径7nm以下のナノポーラス銅を作製することに成功した。熱処理によりTi2Cu3、Ti2Cu,TiCuの金属間化合物が形成され、金属間化合物は脱合金処理過程中に脱合金の順位がかわり、最終ナノポーラス構造が最初の前駆体の微細構造を決めることが分かった。金族元素と白金族元素の添加効果は各元素の表面拡散係数に依存していることが分かった。白金族元素は金族元素の真空中の拡散係数より一桁か二桁小さいのでTi-Cu前駆体合金中に1と2at%の第三元素を添加する場合にはCu拡散を抑制し、より小さい範囲でCuの自由拡散を押さえ、ナノポーアのサイズは同等条件下の未添加第三元素のTi-Cu前駆体から作成したナノポーラス銅より一桁か二桁大幅に減少した。作成した超微細ナノポーラス銅のメタノールの酸化反応の触媒特性も従来のナノポーラス銅と比べるとよくなった。今回の研究成果によって貴重な白金、金等の使用量を減らすことが出来るを思われる。
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