液体急冷凝固(LRS)法にて作製したAg-20Pd-14.5Cu-12Au合金(LRS材)および同合金熱間圧延材(AS材)を用い、溶体化処理(ST)によるミクロ組織および機械的強度の変化を調査・検討した。 LRSのミクロ組織はSTを施すことにより、α単相組織となる。LRS材と溶体化処理を施した同材の硬さは、AS材およびSTを施した同材のそれより比較的低い。これより、上記合金の構成相であるα、α1およびα2相の固溶硬化の効果は、β’相の析出硬化のそれより低いと言える。それ故、Ag-20Pd-14.5Cu-12Au合金の特異硬化はST時においてβ’相の析出が増加されるため、発生することが示唆される。
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