巨大歪み、高い外部発生応力、即応答性の三拍子を兼ね備えたマルチフェロイック材料として期待されるNiMn基メタ磁性形状記憶合金の研究である。現時点では、磁場誘起変態させるために数テスラを超える強磁場が必要であり、これが実用化を阻む最大の問題点となっている。これらを解決するため、様々な合金系および組成で基礎研究を積み重ねた。その結果、ボロン元素の添加が結晶粒界の脆弱性を抑制する効果があることが明らかとなった。また、Co置換が母相とマルテンサイト相の磁化の差を大きくすることに有効であり、その現象理解を深めることに成功した。
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