体心立方晶(BCC)に類似したCsCl型構造を有するTiFe合金を、GPa級の超高圧・高温下で水素を吸蔵させて高水素濃度を有する新規金属水素化物の合成を試みた。5 GPa, 600℃の条件で水素吸蔵すると、常圧近傍とは異なる反応プロセスを経てBCC構造を有する新規な水素化物が形成することを見出した。高温高圧下ではTiとFe原子が定まったサイトのCsCl型構造の規則相から各原子がランダムに配置したBCC構造へ、規則-不規則変態を生じたことが分かった。水素吸蔵量は常圧近傍で調製される水素化物と同一であると見積もられ、高水素濃度の水素化物は合成されなかった。
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