研究課題
当該年度は,平成24年度中に作成した試験片,すなわち,ブレード先端,中央,付け根部のリーディングエッチからトレーリングエッチへかけて(100)に平行に6等分に切り出し,(001)および(100)の鏡面仕上げ材について,購入した電解腐食機器により腐食を実施した。その上で,これらについて,電子顕微鏡を用い,表面から内部冷却孔へ向け,等間隔にて組織観察を実施した。その結果,各部位,各断面により,γ’相の形状が大きく異なることを示し,部位によってラフト構造の形成が認められ,その形成方向はブレード長手方向と平行および垂直方向に大別されることを明らかにした。さらに,ラフト構造の形成分布および方向はブレードの二次方位が異なる場合,大きく差異が生じることを見出している。現在,ブレード各部位の方位解析,EBSD解析を始めるとともに,組織形状の定量化を行うための手法に関する準備を実施している。
2: おおむね順調に進展している
現状,申請時に記述した研究実施内容とほぼ同内容の進捗状況となっている。
研究計画にて予定している方位解析および組織の定量化を実施するとともに,定性的なブレード実機使用環境の推定結果を整理する予定である。また,これまでに得られた組織形態について積極的に学会等で発表を行い,当該分野の研究者と議論を深め,研究推進に必要な情報収集をしていく計画である。一方で,当該研究の進捗により,実機使用環境の温度,応力状態に関する定性化から定量化のためには,同一材料での実験室レベルにおけるクリープ試験および各試験片の組織観察,定量化が必要であることが明らかとなった。これらに該当する実験テーマの設立へ本研究結果を反映させて行く予定である。
データ収集結果を踏まえ,次年度に多く予定されている研究成果発表および情報収集のための国内および国際会議出席することとし,本年度に繰り越すこととしたため。○ソフトウエア 30,000円 ●試験片研磨関連消耗品 50,000円 □国際会議参加登録費 350,000円 □国際会議旅費 600,000円 □国内学会旅費 100,000 ■論文投稿および英文校正費 150,000円 ■印刷費 40,000円
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