半導体的単層カーボンナノチューブ(SWCNT)の発光は、その構造と共に劇的に変化する。本研究では、特定のSWCNTを選択的に分散できるポリマーラッピング技術に着目し、その技術を直径の大きなSWCNTへ展開してきた。分光学的手法や原子間力顕微鏡を用いてポリマーの構造選択機構を調べることで、1.5μm発光のSWCNTや特定の分子内包SWCNTの選択的抽出が可能になった。加えて、内包ペリレンの発光寿命測定によって、室温における2量体構造鎖の特異な発光が自己束縛状態に起因することを明らかにした。本成果から、SWCNT内に特定の分子配列構造を形成するために、選択的合成技術の開発が重要であることがわかる。
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