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2013 年度 実績報告書

溶融塩電解法を利用するイリジウムの革新的高速リサイクルプロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24760613
研究機関東京大学

研究代表者

野瀬 勝弘  東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (50572476)

キーワードイリジウム / 溶融塩電解 / レアメタル / 白金族金属 / 貴金属
研究概要

イリジウム(Ir)は白金族金属(PGM)の中でも産出量の極めて少ない超希少金属である。白金やパラジウムの副産物としてしか生産されないIrの年間生産量は数トンに限られている。しかし、Irの有する高温安定性や化学薬品に対する耐食性は坩堝材料や電極材料として欠かすことができず、それらの需要は今後さらに増大することが予想される。希少で金属の価格が高いことから、坩堝などに利用されるIrは、時間の掛かる多段の化学プロセスを用いてリサイクルされ、繰り返し利用されている。
本研究では、従来のリサイクルプロセスが多量の有害な廃液を発生することと、処理時間が非常に長いという問題を解決するため、溶融塩中でのIrのアノード溶解を研究し、大幅に溶解速度が向上する革新的高速リサイクルプロセスを開発することを目的とする。
1000Kの塩化ナトリウム‐塩化カリウム(NaCl-KCl)溶融中でIr線を作用電極としてサイクリックボルタンメトリー(CV)測定を行い、Irの溶解電位およびアノード挙動の調査を行った。これまで、700K程度のLiCl-KCl溶融塩中でのPGMのCV測定において、酸化物または塩化物の被膜形成による電極表面の不動態化挙動が報告されていた。しかし、本研究で実施した条件ではIr電極の不動態化は生じないことが明らかとなった。これは、高温で電解を行うことにより、塩化物被膜が不安定になり生成しない、または、Ir塩化物の溶融塩中への溶解度が高くなるためと考えられる。
平成25年度にはIr線をアノード電極として、1000Kでの塩化物溶融塩中での定電位アノード溶解試験を実施した。塩化物溶融塩中では高い電流密度においても100%に近い電解効率でIrが溶融塩中に溶解することが実験的に明らかとなった。高温溶融塩中でのアノード溶解を利用することでIrを電気化学的に迅速に溶解することが可能であることが実験的に示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 白金族金属の新規溶解プロセスの開発

    • 著者名/発表者名
      野瀬勝弘、岡部徹
    • 学会等名
      貴金属の製錬・リサイクル技術の最前線(貴金属シンポジウム)
    • 発表場所
      東京大学生産技術研究所
    • 招待講演
  • [学会発表] Fundamental study on new dissolution process for platinum group metals using molten salt electrolysis

    • 著者名/発表者名
      K. Nose, T. H. Okabe
    • 学会等名
      2014 TMS Annual Meeting & Exhibition
    • 発表場所
      San Diego Convention Center, CA, USA
  • [学会発表] Fundamental Study on Anodic Dissolution Process of Platinum Group Metals in Molten Salt

    • 著者名/発表者名
      K. Nose, T. H. Okabe
    • 学会等名
      The 9th Workshop on Reactive Metal Processing
    • 発表場所
      Caltech, Pasadena, CA, USA
  • [学会発表] 貴金属の環境調和型リサイクル技術の開発

    • 著者名/発表者名
      岡部徹、野瀬勝弘、谷ノ内勇樹
    • 学会等名
      資源・素材学会平成26年度春季大会
    • 発表場所
      東京大学生産技術研究所

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公開日: 2015-05-28  

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