研究課題/領域番号 |
24760621
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉田 幹生 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (60444650)
|
キーワード | 混合状態評価 / 音波伝達特性 / 3次元混合情報 / 複合材料 / 粉体層 |
研究概要 |
複合材料分野において微小粉体の均質混合が達成できれば,異種成分の界面量が飛躍的に増加するため,弾性率,熱変形温度等の諸物性が大幅に向上することが知られている。しかし,粉体は液体とは異なり,非常に「混ざりにくい」性質を有するだけでなく,その混合状態の評価法が乏しい。そこで,本研究では,異種界面間で音波が伝達しにくいという特徴を利用して混合状態評価法の確立を試みている。 今年度は,作製済装置の改善とそれを用いた評価を行った。昨年度は,超音波の発信・受信プローブの接触圧力をひずみケージを使ってモニタリングし,その圧力を一定に保つことによって各混合条件での実験データのばらつきを大幅に軽減することに成功した。しかし,本操作は少し煩雑であり,1回の測定に時間を要していた。そこで,マグネットを組み込んだプローブを発信・受信プローブとして用いることによって,本問題を解決することができた。次に,本装置を用いて種々の混合状態での音波伝達特性を検討した。試料には板状のブロックを組み合わせた仮想粉体層を用いた。昨年度までは音波の振幅値のみに着目していたが,今年度は材質の音速が異なることを利用して,仮想粉体層の音波透過速度から体積混合割合が算出可能であるかを検討した。また,本測定のため入力波を25-45kHzの連続波から1MHzのパルス波に変化させた。検討の結果,本測定方法により異種界面数だけでなく,体積混合割合も算出可能であることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に測定装置を構築したが,その装置構成では1回の測定に非常に時間がかかることが明らかとなった。今年度は,その問題解決のためにやや時間を要したため,当初予定していた仮想粉体層を構成するキューブサイズ等の影響が検討できなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
測定が安定,かつ,迅速に行えるようになったため,当初予定していた仮想粉体層ならびに粉体層の各パラメータの影響を一気に検討する。
|