本研究では,分子動力学シミュレーション法を用いて,アルカンチオール修飾金ナノ粒子の生体膜(リン脂質2重膜)に対する付着・侵入・透過挙動を解析した.特に粒子表面物性(表面電荷・表面修飾分子鎖長)およびモデル生体膜の組成や構造が,粒子-生体膜間相互作用に及ぼす影響について解析した.その結果,粒子表面物性が粒子-生体膜間相互作用に及ぼす作用機構を分子レベルで明らかにすることができた.さらに,実際の生細胞膜の構造を模擬したモデル生体膜を新たに導入することで,ナノ粒子が生体膜を自発的に透過する様子もシミュレートすることができた.
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