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2013 年度 実績報告書

圧力応答性ポリマーを利用したナノ粒子スラリーの分散凝集制御

研究課題

研究課題/領域番号 24760625
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

佐藤根 大士  兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (00583709)

キーワード化学工学 / プロセス工学 / 粉粒体操作 / スラリー制御 / 環境技術 / 水処理プロセス
研究概要

圧力応答性ポリマーは,溶液の圧力の上昇により溶解度が変化し,粒子表面における吸着形態が変化するという特徴を持つ.この圧力応答性ポリマーをナノ粒子スラリーに添加することで,粒子の分散・凝集状態を簡便な手法で的確に制御する手法の確立を目的とした.昨年度までに,分散剤としてポリカルボン酸アンモニウムを用いることで,圧力印加により分散剤の溶解度が減少し良分散状態のナノ粒子スラリーを凝集させることが可能となったため,本年度は逆に,凝集状態となったスラリーを再分散させる条件について検討した.
検証実験に用いる試料は,ポリマーについては,圧力印加により溶解度が上昇するとの報告のある,スルホン酸系共重合体を,粒子については,昨年度と同様に水篩により平均粒子径を50nmとしたアルミナ粒子を選択した.pH調整および分散剤添加により凝集状態となるように調製したスラリーに圧力を印加し,分散状態がどのように変化するかを観察した.その結果,分散剤を添加せず,pH調整により調製したスラリーでは,400MPaを印加してもスラリーは短時間で沈降,堆積し,空間率の低い堆積層が得られたのに,高分子分散剤を添加したスラリーでは,400MPaを印加すると,短時間で沈降,堆積はしたものの,充填率の高い堆積層が得られた.これらの堆積層を,超音波により再分散させたところ,pH調製により調製したスラリーは再び短時間で沈降,堆積したのに対し,ポリマーを添加したスラリーは分散状態を維持した.これらのことから,圧力応答性ポリマーを用いたスラリーの分散凝集制御は,ポリマーの末端官能基の種類を適切に選択することで,分散から凝集,凝集から分散と,自在に制御できることが明らかになった.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] スラリーの分散安定性と高分子電解質分散剤の吸着現象との関係2014

    • 著者名/発表者名
      佐藤根 大士
    • 雑誌名

      粉体工学会誌

      巻: 51 ページ: 269-274

    • 査読あり
  • [学会発表] 固液分散系スラリーを用いるプロセスの最適化2013

    • 著者名/発表者名
      佐藤根 大士
    • 学会等名
      粉体の機械的単位操作に関する参加型討論会
    • 発表場所
      日本大学理工学部駿河台校舎1号館2階122会議室
    • 年月日
      20131216-20131217
    • 招待講演
  • [学会発表] 粒子径分布が干渉沈降現象に及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      佐藤根大士、飯村健次、鈴木道隆、高瀬篤志
    • 学会等名
      第51回粉体に関する討論会
    • 発表場所
      島根県松江市 松江テルサ 大会議室
    • 年月日
      20130912-20130914
  • [学会発表] 固液分散系スラリーを用いるプロセスの最適化2013

    • 著者名/発表者名
      佐藤根 大士
    • 学会等名
      日本粉体工業技術協会第2回技術部門の若手のつどい
    • 発表場所
      ホソカワミクロン 本社 12 階会議室
    • 年月日
      20130828-20130828
    • 招待講演
  • [図書] コンポジット材料の混練・コンパウンド技術と分散・界面制御フィラー活用技術、配合条件、装置の選定・使い方、分析・評価技術2013

    • 著者名/発表者名
      佐藤根 大士:分担執筆
    • 総ページ数
      924
    • 出版者
      技術情報協会
  • [図書] 粉粒体の構造制御、表面処理とプロセス設計2013

    • 著者名/発表者名
      佐藤根 大士:分担執筆
    • 総ページ数
      873
    • 出版者
      技術情報協会

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公開日: 2015-05-28  

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