• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

機能性原子団を導入した分子性金属酸化物アニオンで構成されたイオン結晶の触媒機能

研究課題

研究課題/領域番号 24760634
研究機関北海道大学

研究代表者

神谷 裕一  北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (10374638)

キーワードヘテロポリ酸 / ポリオキソメタレート / 疎水性 / 分子設計 / 過酸化水素酸化 / セシウム塩 / アンモオキシメーション
研究概要

反応活性サイトの分子設計および反応場の疎水性の制御を目的とし、機能性原子団を導入したKeggin型へテロポリ酸(F-POM)と酸性カチオンからなるイオン結晶を合成し、その触媒機能を調べることを目的としている。Sn-R(RはOH、C4H9、C8H17)を導入したF-POMとセシウムカチオンからなるイオン結晶を合成し、これらを触媒とするアルコール類の過酸化水素酸化を実施したところ、Sn-C8H9を導入したF-POMが最も高い活性を与えることを前年度に報告した。
この理由を明らかにするために、本年度は各種F-POMの過酸化水素分解特性を調べた。ベンジルアルコールの過酸化水素酸化において、滴定法により過酸化水素の有効利用率を調べたところ、39、69、99%であった。また、ベンジルアルコールを反応系に加えずに過酸化水素の自己分解反応をおこなったところ、過酸化水素分解率は98、43、35%であった。これらの結果より、Sn-C8H9を導入したF-POM上では過酸化水素の自己分解がほとんど進行せず、その結果、過酸化水素が極めて有効に使われるため高い触媒活性を示したと結論した。Sn-C8H9の導入によって表面が疎水的になり、過酸化水素によって活性化されたF-POMが別の過酸化水素と反応して過酸化水素が自己分解するよりも、基質(アルコール類)との反応が優先的に進行するため、高い触媒活性を示したと推測した。
F-POMを触媒としてアンモニア存在下、ベンズアルデヒドを過酸化水素で酸化してベンズアルデヒドオキシムを生成するアンモオキシメーションを実施した。ベンズアルデヒドオキシム選択率は機能性原子団の種類によらず99%以上であった。触媒活性はベンジルアルコール酸化と同様の序列(OH<C4H9<C8H17)であり、Sn-C8H9を導入したF-POMが最も高いベンズアルデヒドオキシムを与えた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 12-タングストリン酸セシウム中性塩を触媒とした過酸化水素によるアルコール酸化2013

    • 著者名/発表者名
      神谷裕一、藤田千春、三浦裕紀
    • 学会等名
      第43回石油・石油化学討論会
    • 発表場所
      北九州国際会議場(北九州市)
    • 年月日
      20131114-20131115
  • [学会発表] Catalytic Oxidation of Alcohols with H2O2 over Cs salts of keggin-type Heterpolyacids2013

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Kamiya, Yu-ki Miura
    • 学会等名
      The 14th Japan-korea Symposium on Catalysis
    • 発表場所
      ウインク愛知(名古屋)
    • 年月日
      20130701-20130703
  • [学会発表] Synthesis of micro-meso bimodal Cs salts of dodecatungstosilicic acid and their post-treatment in acid solution2013

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Kamiya, Shogo Sano, Yukari Iwase, Yu-ki Miura
    • 学会等名
      8th International Mesostructured Materials Symposium
    • 発表場所
      淡路夢舞台国際会議場(兵庫)
    • 年月日
      20130520-20130524
  • [学会発表] Qusntitative understanding of surface acidity of supported heteropolyacids2013

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Kamiya
    • 学会等名
      7th International Symposium on Acid-Base Catalysis
    • 発表場所
      TKPガーデンシティー品川(東京)
    • 年月日
      20130512-20130515

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi