平成25年度に以下の研究成果を得た 平成24年度に形成条件を確定したプラズマジェットを用い負極電極素材として用いるカーボン材料表面の表面修飾を検討した。プラズマジェットによる修飾によりカーボン材料と酢酸菌のアルコールデヒドロゲナーゼの補酵素であるピロロキノリンキノンとの親和性が向上し電子の移動が促進されることが確認された。エタノールを基質とした酢酸菌との間でもカーボン材料への電子の移動が促進される事が確認され、プラズマジェットの照射によるカーボン材料表面の修飾は酢酸菌を用いた微生物燃料電池(MFC)技術の性能向上に効果的であることが示された。プラズマジェットとしてはCO2を混合したプラズマの照射による表面修飾が最もカーボン材料への電子移動促進に効果的であることを明らかとした。 食酢と電力のコプロダクションに適したMFCリアクターシステムの構築を目指し、負極表面積を大きくするためカーボン材料をカラムに充填したパックドベットリアクター形式のMFCリアクターの構築に必要な知見の集積を試みた。種々のカーボン材料ならびにカラム内の集電板構造を検討し、食酢と電力のコプロダクションを可能とするパックドベッドリアクター形式のMFCリアクターを構築することに成功し、炭素材料の種類・形状に加え、集電版の構造も重要であることを明らかとした。 平成24年度の研究成果と合わせ、酢酸と電力のコプロダクションの実証ならびにその初歩的な特性の解明に加え、MFC電極材料として用いるカーボン材料の修飾技術ならびにリアクターの開発に成功し、本技術を実用化につなげるための足がかりとなる基盤的技術の創出に成功した。
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