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2012 年度 実施状況報告書

人工抗体のシグナル伝達阻害薬への応用

研究課題

研究課題/領域番号 24760653
研究機関兵庫医療大学

研究代表者

芝崎 誠司  兵庫医療大学, 薬学部, 准教授 (50342530)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード人工抗体 / アフィボディー / PCA
研究概要

細胞内において標的タンパク質に結合する分子の相互作用を解析する方法として、PCA(Protein-fragment Complementation Assay)法がある。これは、タンパク質を2つの断片に分解し、各々を2つの異なるタンパク質に融合して、これらが相互作用した場合、元のタンパク質が再構成され、活性が回復することを利用している。これまで我々は、酵母S. cerevisiaeをホストとし、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)の再構成を指標としたPCAシステムの構築と、この酵母PCA法を発展させ、細胞内標的分子の機能を阻害できるAffibodyのスクリーニングを行なった。これまでのPCA法では、細胞増殖という間接的な指標を用いているため、相互作用の定量化について十分な精度を得るには至っていなかった。そこで、DHFRの阻害剤であるTMPを蛍光標識して、DHFRの形成量をより正確に反映したPCA検出システムを構築し、現有の抗Rasまたは抗Raf-Affibody-F[1,2]融合遺伝子に変異を導入したコンビナトリアルライブラリーを、RasまたはRaf-F[3]融合タンパク質発現細胞に導入した。ライブラリー細胞集団を蛍光色素により標識したTMPの細胞内保持量を指標にフローサイトメーターを用いて陽性クローンを分取、解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度の主な課題である、人工抗体ライブラリーの作製、フローサイトメーターを用いたスクリーニングについて、目標通り期間内に計画を遂行できた。

今後の研究の推進方策

滑膜における人工抗体Affibodyの効果を検討するために、滑膜細胞株を使用する。滑膜培養細胞にAffibodyタンパク質を発現するプラスミドをリポエフェクション法により導入し、細胞内に人工抗体を発現させる。リウマチで増加するサイトカインTNF-α存在下での細胞増殖能をMTTアッセイにて評価する。炎症性サイトカイン・メディエーター産生を培養上清中のIL-6、PGE2、MMP-3をELISA法にて測定し、滑膜細胞における人工抗体の効果を検討する。また、骨芽細胞における人工抗体の効果を検討するために、BMP-2(Bone morphogenetic protein-2)刺激で骨芽細胞へ分化するマウス由来のC2C12細胞を用いて、Affibodyの影響を解析する。

次年度の研究費の使用計画

物品費としては、人工抗体を導入した細胞の炎症性サイトカイン・メディエーター産生能を調べるため、培養上清中のIL-6、PGE2、MMP-3の測定に用いるELISAキット、細胞培養用の培地、サイトカインの購入等に用いる。また成果発表のための学会参加にかかる旅費、論文投稿にかかる支出等にも使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 抗Ras人工抗体Affibodyの取得と細胞内シグナル伝達経路の阻害2013

    • 著者名/発表者名
      臼井千裕、唐崎美樹、関口昌弘、北野幸恵、佐野統、岩崎剛、芝崎誠司
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      20130329-20130329
  • [学会発表] 滑膜細胞における分子標的薬ならびに人工抗体リガンドを用いたサイトカイン抑制効果2012

    • 著者名/発表者名
      渡邊沙知子、唐崎美樹、関口昌弘、北野幸恵、佐野統、岩崎剛、芝崎誠司
    • 学会等名
      第35回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡)
    • 年月日
      20121214-20121214

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公開日: 2014-07-24  

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