研究課題/領域番号 |
24760656
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
小林 功 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品工学研究領域, 主任研究員 (70425552)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 非球形マイクロ液滴 / マイクロチャネルアレイ / 二相マイクロ液滴 |
研究概要 |
表面親水化処理を施した単結晶シリコン製マイクロチャネル(MC)アレイチップを用いた円盤状油中水滴(W/O)マイクロ液滴の作製を試みた。液滴作製用MCアレイには、多数の並列矩形MC(幅4 μm、高さ4 μm)とテラス(高さ4 μm、長さ24 μm)が加工されている。W/Oマイクロ液滴作製時の分散相として用いるW/Oサブミクロンエマルションは高圧乳化を用いて作製した。MCを介して分散相(W/Oサブミクロンエマルション)を連続相(外水相)中に圧入したところ、多数のサブミクロン水滴を内包した円盤状の大豆油滴が作製された。内水相体積分率がW/Oマイクロ液滴作製の安定性に大いに影響する因子であることが示され、内水相体積分率が高い場合に均一サイズの円盤状W/Oマイクロ液滴(平均直径約20 μm)を安定的に作製できた。MCアレイを介した円盤状W/Oマイクロ液滴の作製プロセスの詳細がハイスピードカメラ観察により明らかとなった。操作温度がW/Oマイクロ液滴の作製に与える影響についても検討し、内水相体積分率が高い場合ではモジュールを冷却または加熱した状態であっても均一サイズの円盤状W/Oマイクロ液滴が安定的に作製されることが示された。 本年度はまた、液滴変形用MCアレイ(幅8 μm、高さ8 μm)を用いた円盤状W/Oマイクロ液滴の変形についても検討した。円盤状W/Oマイクロ液滴は、液滴変形用MCアレイに進入する際に棒状(平均長さ約55 μm)に変形することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、非球形固体脂マイクロカプセルの基材となる非球形W/Oマイクロ液滴の連続作製に成功し、主な研究目的である非球形固体脂マイクロカプセルの連続作製に必要な基礎的知見を得ることができた。申請者はまた、本年度の研究で期待される成果をおおむね達成した。以上より、現在までの達成度に関して申請者が選択した自己評価が妥当であるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究はおおむね順調に進展したので、次年度以降の研究は当初の計画通り実施する予定である。 具体的にはまず、マイクロチャネル(MC)アレイチップを用いた非球形(円盤状・棒状)の単分散固体脂マイクロカプセルの作製を実施する。その後、単分散固体脂マイクロカプセルの連続作製・回収を行えるようにする。また、水溶性・脂溶性の食品機能性成分を内包した非球形単分散固体脂マイクロカプセルの作製についても検討する。 非球形固体脂マイクロカプセルが作製された時点において、サイズ、形状、表面形態などについて評価を行い、非球形固体脂マイクロカプセルの基本的性質を把握する。また、非球形固体脂マイクロカプセルの保存安定性についても評価を行う。 なお、研究を遂行する上で対応が必要な課題はない。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし。
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