研究課題
前年度までの研究実績を踏まえ、本研究3年目となる平成26年度の研究計画は大きく以下の3つの項目に分類された。1) 超小型人工衛星RISING-2打上げ後の軌道上データとの比較評価、2) 前年度までに構築を完了していたSILS環境の実運用と機能評価、3) 当初の研究計画におけるステップ4である動的シミュレーション環境の完了。1) に関してはRISING-2衛星が2014年に打ち上げられたことを受け、本環境によるシミュレーション結果と、軌道上で取得されたデータの比較評価の実施に成功した。今後軌道上運用の詳細な結果を継続的に解析することで、地上評価モデルの洗練が可能となる。2)に関しては衛星の姿勢制御モードの一つであるデタンブリングモードを例にとり、SILS環境でのシミュレーション結果と軌道上データとの比較検証を行った。検証ではフライトモデル搭載ソフトウェアと等価な関数群をSILS環境内で実行する形態をとった。3)に関しては搭載電算装置と動的シミュレーション環境に配置された搭載機器間の通信インターフェースを実装すると共に、モーションカメラにより取得される客観的な姿勢情報をシミュレータ内部の変数に反映させる機能を実装し、動的シミュレーションが実施可能な環境の整備を完了した。これにより当初の目的を完全に達成した。環境の構成要素の整備という観点からは、新規に高性能実時間シミュレータと人工衛星運用装置各一台を導入し、現状の構成及び実用上将来的に実装され得る追加機能を含めたシミュレーションソフトウェアの実時間性の確保に努めた。これに加え、モジュール化フロントエンドを拡張し、AD/DA変換機能を拡充した。また、より多くの衛星搭載機器を模擬する目的でRS422インターフェースについても追加拡充した。研究成果は研究期間最終年度に加え翌年度の学会発表、及び雑誌論文等への発表を予定している。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)
Transactions of Japan Society for Aeronautical and Space Science (JSASS) Aerospace Technology Japan
巻: 12 ページ: Tr_13-Tr_17