研究課題/領域番号 |
24760659
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
西田 浩之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60545945)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 流体制御 / 航空宇宙流体力学 |
研究概要 |
Cone-Cylinder形状の細型物体模型を用いて風洞実験を行い,PIV試験とオイルフローにより大迎角細長物体周りの流れ場の可視化を行った.主流流速8m,レイノルズ数30000の条件において,プラズマアクチュエータの駆動により流れの剥離が遅れ後流渦が機体表面に近づくこと,また,バースト駆動(Duty比10%,バースト周波数200Hz)によって連続駆動の場合よりも大きな流れ制御効果が得られることを確認した. RANS-LESハイブリッド手法を用いたCFDシミュレーションにより,Cone-Cylinder形状の大迎角細長物体周りの流れ場を解析し,またプラズマアクチュエータの簡易体積力モデルであるSuzenモデルを用いて流れ制御効果を調査した.まず,PIV試験との比較によりシミュレーション結果の妥当性を確認した.また,特に流れの剥離位置とプラズマアクチュエータの設置位置の位置関係に着目して解析を行い,流れ制御効果との間に相関があることを明らかにした.このことより,アクチュエータ設置位置は流れの剥離位置との位置関係を考慮して最適化を行う必要があることを示した. CFDシミュレーションにおいて,プラズマアクチュエータの制御効果を正確にモデリングすることは重要である.そこで,簡易モデルである Suzenモデルの妥当性を検証する為,3流体モデル(正イオン・負イオン・電子)に基づいた放電プラズマのシミュレーションコードを整備し予備的にシミュレーションを行った.放電プラズマの発達と進展,体積力の印加電圧特性と周波数特性の観点から,実験結果とシミュレーション結果を比較し,放電プラズマシミュレーションの妥当性を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
風洞実験においては,PIV実験とオイルフローによる流れ場の可視化から,大迎角非対称剥離渦の構造を理解し,またアクチュエータの制御効果とバースト駆動の有効性を示した.概ね予定通りに研究が進捗していると言える. 数値シミュレーションにおいては,プラズマアクチュエータの制御効果を組み込んだRANS-LESハイブリッドモデルの計算コードを整備し,PIV実験との比較からその有効性を検証することができた.また,アクチュエータの設置方法を最適化する上で重要な知見を得ることができ,順調に研究成果が得られている. プラズマアクチュエータの制御効果をより正確にシミュレーションに組み込むことを目的として,放電プラズマのシミュレーションコードを整備し,過去に報告されている実験結果との比較からその妥当性を検証できた.概ね予定通りに研究が進捗していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
様々なプラズマアクチュエータの設置位置,駆動方法(バースト周波数やDuty比)について,パラメータを増やして風洞実験を行い,設置位置・駆動方法最適化の為の知見を得る.PIV試験,オイルフローによる流れの可視化に加え,空力特性取得実験も行う.これまで,特に細長物体後胴へプラズマアクチュエータの設置し,周方向へ流れのモーメンタム入力を行ってきたが,前胴への設置・機軸方向の流れへのモーメンタム入力も検討する. 数値シミュレーションにおいても同様に,パラメータサーベイを幅広く行い,得られた知見は実験へフィードバックして知見を深める. プラズマアクチュエータの流体への制御効果を正確に評価するため,放電プラズマシミュレーションと流体シミュレーションをカップリングする.カップリングシミュレーションにより体積力の簡易モデルであるSuzenモデルの妥当性を検証する.
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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