研究課題
平成26年度は平成25年度までに得た知見をもとに,細長物体の前胴から後胴まで複数の位置にプラズマアクチュエータを配置し,複数のプラズマアクチュエータを同時駆動させる風洞実験を行った.また,プラズマアクチュエータのバースト駆動(非定常駆動)についても実験を行い,バースト周波数が横力制御効果に与える影響について調査した.複数アクチュエータの駆動実験においては,今年度の実験では,残念ながら複数駆動することによる相乗効果を観察することは出来なかった.今回,同時駆動するアクチュエータの位置は単一のアクチュエータを駆動した結果をもとに決定したが,複数駆動の場合,上流側に設置したアクチュエータがもとの流れを変化させてします.これが原因で下流側のアクチュエータがうまく働かなかったものと考えられる.バースト駆動の実験においては,アクチュエータを定常駆動させるよりも横力制御において大きな成果が得られた.ただし,制御効果はバースト周波数に大きな影響を受ける.流れの特性時間に合わせて最適なバースト周波数を選択する必要があり,そのメカニズム解明は今後の課題である.プラズマアクチュエータの数値モデリングについては,今年度でシミュレーションコードの開発を概ね終了できた.また,シミュレーションコードを使った解析をもとに,出力を2倍にできる新しいプラズマアクチュエータの開発に成功した.次年度以降,この新しいアクチュエータを使った細長物体の空力制御にも取り組む.
2: おおむね順調に進展している
昨年度までは数値シミュレーションと風洞実験の両面から,本年度は特に風洞実験に注力して研究を行い,プラズマアクチュエータの設置位置と配置方法についての知見を順調に蓄積できている.また,複雑な3次元流れに対してもバースト駆動(非定常駆動)が有効であることを示すことにも成功した.プラズマアクチュエータのシミュレーションモデル構築については,予定以上に進展している.放電構造の3次元性まで含めたシミュレーションコードの開発に成功し,またそのシミュレーションコードを使った解析から,プラズマアクチュエータの改良にまで成功している.
プラズマアクチュエータの複数配置と複数同時駆動について引き続き検討する.上流側から制御効果が下流へ伝播する,という考えに基づき,下流側のプラズマアクチュエータの設置位置を再検討する.そのためには詳細な流れ場の可視化が必須である.PIV計測による流れ場の可視化に重点を置きつつ研究を行う.また,出力を向上した(推力3倍・推力電力比2倍)新型のプラズマアクチュエータを細長物体の空力制御へ適用する.これにより,より大きな制御効果を得られることが期待される.
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
Journal of Applied Physics
巻: 115 ページ: 133301-1 - 12
10.1063/1.4870384
http://kenkyu-web.tuat.ac.jp/Profiles/29/0002900/profile.html