グラウトの懸濁液の注入はセメント粒子と流体の複雑な連成現象であるため、そのメカニズムには十分に解明されていない部分が多く、実際の設計、施工に際しては多くの実績に基づき経験的に決定されているのが現状である。本研究では、粒子-流体間相互作用を厳密に考慮した粒子-流体連成解析コード(CFD-DEM)の開発を行い、室内試験を対象とした数値解析を実施した。その結果、粒子同士が接触してアーチ構造が形成され、目詰まりが発生する過程を再現できた。これにより、グラウト浸透挙動に大きな影響を与える目詰まり現象について、発生を誘引する要因や、目詰まり発生メカニズムを解明する知見を得ることができた。
|