耐震補強や補修補強材料として利用されているアラミド繊維強化プラスチック(AFRP)は、熱硬化性のエポキシ樹脂と耐熱性のアラミド繊維から構成されており、エポキシ樹脂のみを分解し、アラミド繊維を回収・リサイクルする方法が未解決の課題となっている。そこで平成26年度はAFRP からのアラミド繊維の分離・回収条件の探索を行った。その結果、320℃、10MPaの超臨界アセトンでAFRP中のマトリクス樹脂であるエポキシ樹脂を分解除去して回収したアラミド繊維が最も引張強度を維持していたが、新品に比べて64%の保持率となった。これはエポキシ樹脂分解生成物であるフェノールやiso-プロピルフェノール等のフェノール類がアラミド繊維と反応したためと推測される。一方で切創抵抗性は新品同様の強度を示すことが明らかになった。
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