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2012 年度 実施状況報告書

高転換効率を指向したトリブロモシラン再生反応の反応機構解明に関する系統的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24760694
研究機関山口大学

研究代表者

友野 和哲  山口大学, 理工学研究科, 助教 (40516449)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード再資源化 / テトラブロモシラン / トリブロモシラン / 流通反応系 / 反応速度解析 / 再生反応
研究概要

本研究の目的は,トリブロモシラン(SiHBr3)からポリシリコンを析出する工程で問題となっている大量に副生するテトラブロモシラン(SiBr4)を解決することである。具体的には,SiBr4からSiHBr3への再生反応について,反応条件を系統的に変更し,高い転換率の反応条件を明らかにする。平成24年度では,再生反応①(SiBr4+H2→SiHBr3+HBr)と②(3SiBr4+2H2+Si→4SiHBr3)について検討した。再生反応①について,反応パラメータ―(反応温度,H2濃度,ガス流量)の最適化を行った。SiBr4のGC減少量から転換率を算出した。
ガス流量:反応温度700℃,H2濃度を25vol%に固定し,ガス流量を20から120mL/minまで変更した。ガス流量が80mL/min以上で,SiBr4転換率が28%に達した。
H2濃度:反応温度700℃,ガス流量80mL/minに固定し,H2濃度を25から75vol%まで変更した。H2濃度が50vol%以上において,SiBr4転換率が36%に達することがわかった。
反応温度:ガス流量80mL/min,H2濃度50vol%に固定し,反応温度650℃から800℃まで検討した。反応温度が750℃でSiBr4転換率が51%に達し,800℃で53%に達した。
一方,再生反応②の場合,反応温度の上昇に伴って,SiBr4転換率が低下することがわかった。これは,副生したHBrがSiと反応することで,ブロモシラン(SiHBr3とSiBr4)を生成するためである。結果,Siを導入することで見かけのSiHBr3生成量は増加するが,同時にSiBr4がさらに副生することがわかった。また,生成されるブロモシランはSiの純度に左右されることが考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

オンラインガスクロマトグラフィー装置を備えた自作の反応装置によりSiBr4からのSiHBr3の再生反応の追跡に成功した。また,反応パラメータとSiBr4転換率の相関性について明らかとした。現時点での最適条件は,ガス流量80mL/min,H2濃度50vol%,反応温度750℃において,SiBr4転換率が50%を超えることがわかった。これはクロロ系の再生反応の20~25%に比べ,2倍の値であり,効率では3倍に達する。また,クロロ系の転換率(25%@1000℃)に比べて,ブロモ系ではより低温(750℃)で高い転換率(50%以上)を実現できることが分かった。一方で,反応系にSiを加えることで,SiHBr3の生成量も増加するが,原料であるSiBr4がさらに副生することがわかった。さらに,反応系に導入するSiの純度が生成するブロモシランに影響を与えていると考えられる。今後は,Si有無の差別化を実験的・理論的に考察する。

今後の研究の推進方策

Si有無に関する転換効率向上の検討を行う。また,速度論データを得るために反応パラメータ(反応温度)を変更し,速度定数k及び活性化エネルギーEの算出を試みる。反応速度解析は,充填剤(V)に対する反応ガス流量(u)の通過時間(= 接触時間(t=V/u))から見積もるため,充填剤の体積変化がない実験を行う必要がある。Si無の再生反応において,充填剤として臭化水素と反応しない二酸化ケイ素(SiO2)及び炭化ケイ素(SiC)を検討する。反応温度と反応ガス流量を系統的に変更することで,速度定数を見積もり,活性化エネルギーの評価を行う。また,熱力学的考察を行い実測値との比較を行う。さらに,高純度のSiを用いることで,再生反応②について再検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 固定床反応装置でのテトラブロモシランの水素化反応によるトリブロモシランの生成2013

    • 著者名/発表者名
      友野和哲,宮本成司,小川拓朗,古屋博敏,小松隆一,中山雅晴
    • 学会等名
      日本化学会第93回春季年会
    • 発表場所
      立命館大学びわこ・くさつキャンパス
    • 年月日
      20130322-20130325
  • [学会発表] 流通反応系でのテトラブロモシランの水素化脱ブロモ化反応2013

    • 著者名/発表者名
      友野和哲,古屋博敏,宮本成司,小川拓朗,小松隆一,中山雅晴
    • 学会等名
      化学工学会第78年会
    • 発表場所
      大阪大学豊中キャンパス
    • 年月日
      20130317-20130319
  • [学会発表] 高転換効率を指向したテトラブロモシランからのトリブロモシラン合成2012

    • 著者名/発表者名
      友野和哲,古屋博敏,宮本成司,小川拓朗,小松隆一,中山雅晴
    • 学会等名
      2012年日本化学会西日本大会
    • 発表場所
      佐賀大学
    • 年月日
      20121110-20121111
  • [学会発表] Chemical Vapor Deposition of Silicon by the Reaction of Bromosilanes and Hydrogen2012

    • 著者名/発表者名
      Kazuaki Tomono, Hirotoshi Furuya, Seiji Miyamoto, Takuro Ogawa, Yuki Okamura, Ryuichi Komatsu, Masaharu Nakayama
    • 学会等名
      222nd ECS Meeting
    • 発表場所
      Honolulu (USA)
    • 年月日
      20121007-20121012

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公開日: 2014-07-24  

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