• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

高転換効率を指向したトリブロモシラン再生反応の反応機構解明に関する系統的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24760694
研究機関宇部工業高等専門学校

研究代表者

友野 和哲  宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教 (40516449)

キーワードテトラブロモシラン / 再資源化 / トリブロモシラン / 流通反応系
研究概要

光エネルギーを電力に変換する太陽光発電の導入が進んでいる。太陽電池の原料であるポリシリコン製造法の一つに,SiとHClによるクロロシランの製造と,続くトリクロロシラン(SiHCl3)からのSi析出がある。一方,Si析出の反応時に,テトラクロロシラン(SiCl4; 低シリコン析出能)が大量に副生する問題がある。SiCl4からSiHCl3への再生反応が検討されてきたが,転換率が15-30%程度と低いために,クロロ系でのクローズドサイクルは達成されていない。
本研究は,ブロモシランをシラン源としてテトラブロモシラン(SiBr4)からのトリブロモシラン(SiHBr3)の再生反応(①(SiBr4+H2→SiHBr3+HBr)と②(3SiBr4+2H2+Si→4SiHBr3))について,反応条件を系統的に変更した。また,等価な条件でクロロ系との再生反応との比較を行った。
初年度,反応条件(H2濃度,流量,反応温度,Siの有無)について精査を行い,ブロモシランの転換率が50%(750℃)に達することを明らかにした。参考文献から,Siを含む反応②が有利であると報告されている。本研究においても反応②を検討し,SiHBr3の生成量は増加するが,同時にSiBr4がさらに副生することを明らかにした。また,得られたブロモシラン純度は導入するSi純度に影響されることもわかった。
最終年度,Siに代わる充填剤の検討及び等価な条件でのクロロ系との比較を行った。SiO2およびSiCを検討した。SiO2では,吸湿性のために熱処理工程が必須であった。また,SiCは高純度品の入手が容易で,高い熱保持力・臭化水素に対して未反応性のため効果的な充填剤であることが分かった。結果,55%(750℃)の転換効率を達成した。700℃では等価な条件下で実施したクロロ系に比べて,ブロモでは2.5倍の転換効率であった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Thermal Decomposition of Tetrabromosilane and Deposition of Crystalline Silicon2014

    • 著者名/発表者名
      Masaharu Nakayama, Miyamoto Seiji, Takuro Ogawa, Shogo Osae, Kazuaki Tomono, Sumimoto Michinori, Yoshihisa Sakata, Ryuichi Komatsu
    • 雑誌名

      Materials Science in Semiconductor Processing

      巻: 23 ページ: 93-97

    • DOI

      10.1016/j.mssp.2014.02.045

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Recycling of Kerf Loss Silicon Derived from Diamond-wire Saw Cutting Process by Chemical Approach2013

    • 著者名/発表者名
      Kazuaki Tomono, S. Miyamoto, T. Ogawa, H. Furuya, Y. Okamura, M. Yoshimoto, R. Komatsu, M. Nakayama
    • 雑誌名

      Separation and Purification Technology

      巻: 120 ページ: 304309

    • DOI

      10.1016/j.seppur.2013.10.014.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chemical Vapor Deposition of Silicon by the Reaction of Bromosilanes and Hydrogen2013

    • 著者名/発表者名
      Kazuaki Tomono, Hirotoshi Furuya, Seiji Miyamoto, Takuro Ogawa, Yuki Okamura, Ryuichi Komatsu, Masaharu Nakayama
    • 雑誌名

      ECS transactions

      巻: 50 ページ: 81-86

    • DOI

      10.1149/05005.0081ecst

    • 査読あり
  • [学会発表] トリブロモシラン-テトラブロモシラン混合溶液を用いたSi薄膜の電気化学析出2014

    • 著者名/発表者名
      友野和哲,飯田龍也,坂口麻由美,中山雅晴
    • 学会等名
      日本化学会第94回春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学東山キャンパス
    • 年月日
      20140329-20140329
  • [学会発表] 非水溶媒中でのSiBr4の電気化学的還元によるSi電析2013

    • 著者名/発表者名
      友野和哲,飯田龍也,坂口麻由美,山口亮太,中山雅晴
    • 学会等名
      日本化学会中国四国支部大会
    • 発表場所
      広島大学東広島キャンパス
    • 年月日
      20131116-20131117
  • [学会発表] テトラハロシランからのシリコン析出における臭素系と塩素系の比較2013

    • 著者名/発表者名
      宮本成司,小川拓朗,押尚吾,友野和哲,小松隆一,中山雅晴
    • 学会等名
      日本化学会中国四国支部大会
    • 発表場所
      広島大学東広島キャンパス
    • 年月日
      20131116-20131117
  • [学会発表] 化学気相析出法によるテトラブロモシランからのポリシリコン形成2013

    • 著者名/発表者名
      小川拓朗,宮本成司,押尚吾,友野和哲,小松隆一,中山雅晴
    • 学会等名
      日本化学会中国四国支部大会
    • 発表場所
      広島大学東広島キャンパス
    • 年月日
      20131116-20131117

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi