研究課題
プラズマの定常維持において問題となる磁気計測のドリフトノイズに対して、プラズマの画像を収集し、プラズマの位置・形状を求め、磁気計測の値を逆算して補正をかけることを試みる。理想的にはプラズマの位置及び形状を画像から算出することが望ましいが、今回は代表的なプラズマの位置のみを画像から算出する。その方法として、収集した画像に対して或る輝度を境に2値化を行い、明暗ふたつの領域に分け、その明るい領域の面重心を代表的なプラズマ位置とした。この方法でのプラズマを模擬した光源による動作試験では、正しく面重心の位置を算出することが確認できた。これら画像に対する2値化や面重心を求めるのは、National Instruments社から提供されているライブラリを用いて行った。また昨年度に開発したリアルタイム平衡計算コードの改良を行い、従来、磁気軸位置や最外殻磁気面の位置が離散的に表現されていたものを、そのフラックス値の線形近似や二次近似を行う方法によって、連続的に表現できるようになった。これにより、より精度の高いプラズマ位置・形状の制御が行えると期待できる。更に、プラズマの代表的な位置(形状は含まず)から、各フラックスループで計測されると予想される値を逆算するコードを作成した。合わせて、実測のフラックスループ値が、その値にリニアに補正されるコードも開発し、これらコードを実際の制御システムに実装した。最後に、これら全体の動作試験として、プラズマを模擬した光源を用いて、画像の収集、プラズマ位置の特定、その際のフラックスループ値の逆算、その値への補正といった一連の手続きを、実際の制御システムを用いて行った。その結果、ドリフトが問題となる時間幅よりも充分短い幅(約1秒前後)で、一連の手続きが正しく行われることを確認した。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
Fusion Engineering and Design
巻: 88 ページ: 1074-1077
10.1016/j.fusengdes.2013.03.035