研究課題
本研究はトロイダルプラズマの最外殻磁気面近傍およびその外側まで含めた磁場構造の研究である。プラズマが存在する状態を磁場構造を直接測定することは困難であるが、磁力線に巻き付くプラズマの性質を利用し、プラズマの応答を利用して、磁場構造を推定することができる。人為的にプラズマへ与える摂動として電子サイクロトロン加熱(ECH)のパワー変調によるヒートパルス(熱輸送伝搬)を利用した。本研究費においてコア領域から最外殻磁気面近傍領域(周辺領域)まで視野にもつ電子温度の揺動計測である電子サイクロトロン放射(ECE)計測を設置した。周辺領域は電子温度が低く、正確な温度計測が困難な領域であるが、波形が自明であるヒートパルスは検出可能である。また電子温度揺動の新たな計測手段として中間周波数帯の直接サンプリングによるデジタルコリレーションECEを開発し、微細構造が捉えるようになった。プラズマ領域においてはヒートパルスを用いた実験において、ヘリカルコイルにより形成されていた閉じた磁気面が、プラズマ電流分布に変化に伴い、ストキャスティック状態になることがわかった。従来、部分的に磁気島の重なりによりストキャスティク状態が形成されることは知られていたが、中心まで含めてコア領域全般がストキャスティク状態となり、コア領域の温度上昇を妨げていることが示された。周辺領域においては真空場で計算された最外殻磁気面近傍に小さな磁気島の存在がヒートパルス伝搬の実験で示唆され、閉じた磁気面領域が拡大していることがわかった。
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Plasma Fusion Research
巻: Volume 9 ページ: 3402021
10.1585/pfr.9.3402021