研究課題/領域番号 |
24760706
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
吉田 麻衣子 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 那珂核融合研究所, 研究副主幹 (20391261)
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キーワード | プラズマ回転分布 / 電子加熱 / 国際熱核融合実験炉(ITER) / 運動量輸送 |
研究概要 |
異なる輸送領域(イオン系乱流から電子系乱流など)での運動量輸送(拡散項と対流項)と乱流に伴う自発回転の特性を明らかにするため、先ずJT-60装置において、電子サイクロトロン加熱(ECH)の自発回転と運動量輸送特性を調べた。ECHにより駆動されるプラズマ電流と逆方向のトロイダル回転(自発回転)は、ECH入射付近では電子温度の上昇に相関する。自発回転は、電子温度の上昇後に発生し、自発回転の変化は、電子温度が上昇する時定数より一桁程度長い。自発回転が変化する半径領域は、電子温度が変化する領域より広いことが分かった。 次に、装置間比較による運動量輸送と自発回転の理解と将来予測を行うために、DIII-D装置の実験に参加し、電子サイクロトロン加熱時の自発回転の特性とプラズマパラメータ依存性を調べた。また、既にJT-60装置でまとめたこれらの特性との比較を行うことで、両装置に共通するパラメータ依存性があることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、JT-60装置とDIII-D装置での実験解析を行い、自発回転と運動量輸送に関する特性が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
JT-60装置の負磁気シア放電における自発回転と運動量輸送、これらの他のプラズマパラメータや輸送との関係を明らかにする。乱流輸送理論と比較し、その背景にある物理を理解する。DIII-D装置において、輸送を記述する基本的な無次元量である規格化衝突周波数や規格化ラーマー半径に対する依存性についても調べる。将来の装置でのプラズマ回転予測に向けて、広いダイナミックレンジでの無次元量に対する各々の項のスケーリングの構築を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費の交通費変更のため。 次年度、交通費が変更になった場合に補充する。
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