研究成果の概要 |
フミン物質は生物の腐食によって生じる、不均質構造を持つ有機高分子酸であり、環境中の陽イオンと相互作用する。本研究では、天然のフミン酸とCu(II)の錯生成反応の熱力学量(⊿G, ⊿H, ⊿S)を熱量滴定により決定した。得られたElliot Soil フミン酸とCu(II)の錯生成の⊿Hは負の値であり、pHの増加に伴い絶対値が減少する事が分かった。また、この錯生成反応はプロトン化反応とは異なり、エンタルピー駆動であることが分かった。この反応機構の違いはCu(II)イオンとプロトンのフミン酸に対する結合モードの違いに起因すると考察される。
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