一次元(電離箱)、二次元線量計(フィルム)に対して三次元情報を記録するゲル線量計は三次元的な放射線治療計画の検証ツールとしての利用が検討されている。このゲル線量計は吸収線量に依存して反応が進む放射線感受性化合物からなるが、放射線の線質により線量計の感度が異なるため、その測定精度は線質評価側の精度に依存する。この問題はゲル線量計のみならず、ほとんどの線量計(シンチレータ、フィルム、半導体)などにもある共通の問題である。本研究では放射線の線質を表す線エネルギー付与(LET)に依存しない新規の重粒子線用ゲル線量計の開発を進め、最終的にこの目的を達成した。
|