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2013 年度 実績報告書

高出力な金属空気電池のための空気極のナノ材料設計

研究課題

研究課題/領域番号 24760731
研究機関九州大学

研究代表者

湯浅 雅賀  九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (50404075)

キーワード電池 / 酸素還元 / ペロブスカイト型酸化物 / ナノ粒子 / 白金代替
研究概要

金属空気電池は、電池系外の空気中の酸素を正極活物質とするため、高い理論エネルギー密度と低環境負荷を特徴とする次世代クリーンエネルギー源の一つである。しかし、電池に酸素を取り込むための空気極(電極触媒を担持したカーボンで構成される)においては、現状では浸漬電位が理論値より0.2 V近く卑であり、また、大きな過電圧が生じるために、電池出力にロスが生じることが課題である。そこで本研究では、電極触媒としてLa-Mn系ペロブスカイト型酸化物に着目し、浸漬電位(=無電流における電位)が理論値に限りなく近く、過電圧が従来よりも格段に小さな空気極を構築することを目的とした。
本年度においてはまず、合成したペロブスカイト型酸化物ナノ粒子(La1-xCaxMn0.9Fe0.1ナノ粒子)における、組成の最適化について検討を行った。検討の結果、x=0.6において最も酸素還元活性が高い触媒が得られた。これは、x=0.6において、Mnの価数が酸素還元活性の発現に最も良好な状態に最適化されたためであると考えられる。また、La1-xCaxMn0.9Fe0.1ナノ粒子の表面をX線光電子分光で分析した結果、La1-xCaxMn0.9Fe0.1ナノ粒子の表面にはAサイト(LaおよびCaサイト)が欠損した相が生じており、Aサイトの欠損により生じるMn価数の上昇が、高い酸素還元活性の発現に寄与していることが示唆された。
また、La-Mn系ペロブスカイト型酸化物触媒に3wt%程度の白金を添加した結果、28wt%の白金を用いた空気極とほぼ同程度の酸素還元活性を示した。このことから、ごく微量の白金とLa-Mn系ペロブスカイト型酸化物を複合化させることで、白金の使用量を削減しつつ白金触媒と同レベルの酸素還元活性を有する酸素還元触媒を構築できることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Oxygen reduction activity of carbon-supported La1-xCaxMn1-yFeyO3 nanoparticles2013

    • 著者名/発表者名
      Masayoshi Yuasa, Naoki Tachibana, Kengo Shimanoe
    • 雑誌名

      Chemistry of Materials

      巻: 25 ページ: 3072-3079

    • DOI

      10.1021/cm401276y

    • 査読あり
  • [学会発表] Air electrode using perovskite-type oxides for metal air batteries2014

    • 著者名/発表者名
      Masayoshi Yuasa
    • 学会等名
      Collaborative Conference on Materials Research 2014
    • 発表場所
      大韓民国, 仁川広域市
    • 年月日
      20140622-20140627
    • 招待講演
  • [学会発表] Perovskite-type Oxide as an Electrocatalyst for The Metal-Air Battery2013

    • 著者名/発表者名
      Masayoshi Yuasa, Naoki Tachubana, Kengo Shimanoe
    • 学会等名
      7th Asian Conference on Electrochemical Power Sources
    • 発表場所
      大阪市
    • 年月日
      20131124-20131127
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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