研究課題/領域番号 |
24770001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
作野 剛士 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 講師 (10504566)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 減数分裂 / 染色体分配 / Rec8コヒーシン / Moa1 / Plo1 |
研究概要 |
本申請者らは分裂酵母の減数第一分裂期における一方向性結合の確立には姉妹動原体が減数分裂期型Rec8コヒーシンによって接着を受けることが必須であると同時に、その接着の確立または維持にMoa1という減数分裂期特異的に発現する動原体因子が必要であることを見いだしている。これまでにMoa1はPolo like kinaseの分裂酵母ホモログであるPlo1との相互作用することが明らかになっているが、Moa1の有する機能については不明であった。 そこで、Moa1とPlo1との機能的相関について解析を行ったところ、Plo1は減数第一分裂期特異的に、さらにMoa1との相互作用依存的に動原体へと局在化することが明らかになった。さらに、moa1破壊株において、Plo1を動原体へと人工的に局在化させると、そのリン酸化活性依存的にmoa1破壊株で失われた姉妹動原体間の接着が有意に回復することがわかった。よって、Moa1によって動原体へと局在化したPlo1が何らかの因子をリン酸化することで姉妹動原体の一方向性結合が制御されている可能性が考えられる。そこで、Plo1の動原体における基質を網羅的に探索する目的で、Moa1と相互作用する因子の探索を通じたPlo1の基質の解明を試みた。その結果、減数第一分裂期に発現するMoa1を高効率に免疫沈降できる系が構築され、現状では、質量分析によって相互作用する因子を複数同定するに至った。それら相互作用因子のいくつかは、減数第一分裂期特異的に動原体へと局在することから、Moa1と機能的な相関を有する可能性が示唆される。現在は、それら相互作用因子とMoa1および一方向性結合の確立制御における関係を明らかにするべく解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Moa1がPlo1の動原体局在に必要であるという依存関係と、Plo1のリン酸化活性が姉妹動原体間の接着に必要であることが明らかになったことから、Moa1とPlo1との機能的相関についてはほぼ解明された。また、Plo1の基質同定に関しては、Moa1の免疫沈降実験を通じてその候補因子が単離された。これら候補因子が真にPlo1の基質であるかに関してはこれからの解析によるが、現状では概ね順調な進展だと考える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに単離したMoa1相互作用因子の機能解析に注力する。Moa1の免疫沈降産物にPlo1の真の基質が含まれない可能性を考え、Moa1以外の複数の動原体因子の免疫沈降も同時に行うことで、Plo1の基質が単離される可能性をあげる。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当無し
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