多くの植物種では開花・結実量に年変動がみられる。本研究ではコナラ属を用いて、1)野外実験により環境条件を操作して開花・結実量の変化を調査し、2)同実験環境下で花芽形成から種子成熟までに起こる遺伝子発現変化を捉えることで、3)年変動を引き起こす至近要因を抽出することを目的とした。その結果、北海道のコナラに対して、高い気温は当年の結実には正に、翌年の花成には負に影響を与える可能性が示唆された。また、窒素の施肥はミズナラの繁殖に対し、窒素要求量以外の種子生産量を決定づける要因(例えば気温や降水量など)が不適切であったとしても、その効果を緩和する可能性が示唆された。
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