研究課題/領域番号 |
24770034
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
ミケェエヴ アレクサンダー 沖縄科学技術大学院大学, その他の研究科, 准教授 (90601162)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | genomics / sex determination / reproduction / social insects / ants |
研究概要 |
本研究の目的は、コミカアリの侵襲的集団における、現行の説とは異なる性決定様式の存在を明らかにすることである。 当初計画では、現行の性決定様式によれば本来メスとなるはずの三倍体のオスや個体を探すため、集団遺伝学調査及び全ゲノム解析を行うことであった。しかし、フィールドワークを予定していたガラパゴス諸島での承認手続き等に難を要したため、仏領ギアナにおけるいくつかのアリ集団に対象を絞ることとした。研究代表者らはそれぞれ侵襲的・非侵襲的集団に対応するクローン生殖型と有性生殖型のアリを収集することに成功した。仏領ギアナで収集されたこのアリ集団を使用し、コミカアリの全ゲノム解読を終了している。これについては近く論文を投稿する予定である。 このアリ集団は、ゲノムワイド関連解析にも使用され(現在解析中)、アリの社会構造や生殖に係る遺伝的制御についてより深い理解を得られるであろう。25年夏頃論文の投稿を予定している。さらに、研究代表者はコミカアリの個体生殖交配を制御する方法等を含む、重大な発見をした。これにより、追加の費用負担なしに、より正確なアプローチを用いて研究目的を達成することが可能となる。(12.今後の研究の推進方策 等 参照)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題は、当初フィールドワークを予定していたガラパゴス諸島での承認手続き等に難があったため、当初計画と比べやや遅れている。しかしながら、研究代表者は現在までに数々の新たな発見をしており、これにより提唱する仮説をより直接的に検証する術を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度には、研究代表者の研究ユニットにおいて、コミカアリの個体生殖交配を制御する方法を発見した。これによりきょうだいを生殖させ、そこから生じた二倍体のオスの比率を観察することが可能になる。このアプローチは当初の計画よりもはるかに経済的でありながら、より強いエビデンスをもたらすものである。平成25年度には、個体交配のための、コミカアリの飼育を開始している。
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次年度の研究費の使用計画 |
前述のとおり計画に変更はあったものの、追加費用はない。必要なアリ群は既に入手しているため、消耗品や試薬等をの購入にあてる。
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