研究課題/領域番号 |
24770045
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
植田 美那子 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任講師 (20598726)
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キーワード | パターン形成 / 転写因子 / 植物胚 |
研究概要 |
(1) 受精卵単離と次世代シーケンサーによる受精卵極性化因子の網羅的探索 野生型とwrky2変異体のそれぞれから単離した受精卵を用い、次世代シーケンサーによる大規模発現解析をおこなった(カナダ・NRC-PBIのRaju Datla博士との共同研究)。詳細なデータ解析の結果、wrky2変異体で特異的に発現量の低下していた27遺伝子を見出した。 (2) 受精卵と初期胚におけるIR-LEGO系の確立 赤色および緑色の蛍光タンパク質を用いて胚の細胞分裂動態をモニターする系を導入し、これに水色蛍光タンパク質を用いてIR-LEGOをおこなう系を組み合わせている。高効率なIR-LEGO誘導を根では確立済みであり、現在は胚での条件を最適化中である。 (2) 体軸制御遺伝子群の機能解析 上記27遺伝子のそれぞれについて欠損株を入手して解析したところ、受精卵や初期胚形成に異常を示す株が見つかった。現在は胚のイメージングやIR-LEGOのマーカーを変異体に導入中であり、形質転換体が得られ次第、詳細な解析をおこなう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
植物栽培環境に問題が生じたものの、当初の計画に挙げていた3項目である、(1) 受精卵単離と次世代シーケンサーによる受精卵極性化因子の網羅的探索、(2) 受精卵と初期胚におけるIR-LEGO系の確立、(2) 体軸制御遺伝子群の機能解析、はどれも順調に進展しており、新たな候補因子の同定など、顕著な発見があった。
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今後の研究の推進方策 |
今後はIR-LEGO系の確立を完遂させるとともに、体軸形成の新規候補因子についても、さまざまな分子マーカーを用いて詳細な解析を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験植物であるシロイヌナズナを深刻に食害するキノコバエが発生し、安定な植物生育環境の構築に予想以上の時間が掛かることが判明した。害虫駆除剤や新たな植物栽培用土の導入といった試行錯誤の結果、平成25年10月には安定環境を整備できたものの、実験に用いる植物の確立時期が遅延したことにより、これらを観察するために予算を計上していた顕微鏡関連の消耗品や器具類を購入しないままに補助事業期間が終了した。 主な使途は、確立した実験植物を観察するためのライブイメージング関連消耗品(蛍光ランプやガラスボトムディッシュ等)、および、顕微解析に必要な器具類(マイクロマニュピュレ-ターや極細ガラス針)である。また、実験植物の定常的な栽培に必要な植物栽培用土等の消耗品費と、栽培補助員を雇用するための人件費、研究成果を公表するための学会旅費及び論文別吊り購入費にも充てる。
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