本研究では、蛍光試薬DyLight標識アクチンを用いた新単分子スペックル顕微鏡法を開発した。新法では計測の時空間分解能を大幅に改良することに成功した。特に、近年開発されたスペックルトラッキングソフトウェア(SpeckleTracker J) を応用し、約±8 nm 誤差範囲内の超解像度でアクチン分子の細胞内位置決定が可能になった。さらに、細胞―基質間接着(接着斑)周辺のアクチン流動をサブミクロンスケールで解析し、接着斑前方でアクチン線維は接着斑に集まるように速いスピードで流動することを見出した。この現象は、接着斑が周りのアクチンネットワークに作用し自身の方向に流動を変化させることを示唆する。
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