ショウジョウバエの記憶形成機構を研究するため、学習が行われている最中の個体の脳の神経活動を観察し、記憶に必要な神経活動の同定を目的とした。 1)嗅覚記憶中枢約2000個の細胞から同時に細胞レベルで解析できる系を確立し、顕微鏡下で生きたまま匂い学習中の脳内の変化を解析できるようになった。脳内での匂いコーディングや記憶痕跡を解析できると期待できる。2)複数の匂いの種類対する神経応答を多変量解析することで、匂いの種類と濃度は異なる様式でコーディングされていることを示唆した。3)顕微鏡下で匂いと電気ショックの連合学習を行い学習前後で異なる応答パターン(記憶痕跡)をより安定して観察できるようになった。
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