ヒメコナスビにかかる自然選択圧を調べる目的で、ヒメコナスビの生育地に雨滴計と雨量計を設置するための詳細な現地調査を3回(2014年5月、8月、9月)行った。屋久島高地の複数のヒメコナスビ集団の中から、登山口からのアクセスが容易で、雨滴計と雨量計を固定できる場所がある集団を選定した。これらの集団において雨滴計及び雨量計の設置の可否について環境省屋久島自然保護官事務所に問い合わせを行った。また自然選択圧を計測するために最適な雨滴計と雨量計についてそれぞれの専門家に問い合わせ行い、設置する雨滴計と雨量計を決定した。 前年に引き続き、屋久島の高山性ミニチュア植物であるヒメコナスビとその親となるコナスビのF2集団80個体からDNAを抽出した。次世代シーケンサーによるRADシーケンス(Restriction Site Associated DNA Sequence)のサービスを行っている京都大学生態学研究センターにおいて、専門家との話し合いを行い、連鎖解析のための最適なサンプル数とサンプルの種類について決定した。F2のDNAからRADシーケンスを行うためのサンプルの調整を行った。 さらに今後コナスビ類を用いた遺伝学的解析のために、コナスビ、ヒメコナスビ、F1の育成を行った。本研究によりヒメコナスビはコナスビと異なり開花に春化処理が必要であることが明らかとなった。
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