本研究では,ミトコンドリアゲノム全塩基配列をもちいて,カレイ目魚類の全体を網羅する頑健な系統樹を構築することを目指して解析を進めた.最終的に,既知のカレイ目のほぼ全科と半数以上の属,15%の種数をカバーする13科72属100種の新規データを決定し,外群や既登録データを加えた総計180種を網羅する系統樹を構築することができた.その結果,カレイ目の単系統性は弱いながらも支持され,現行の分類体系に即した目内の2亜目や3上科の単系統性も支持された.また,ヒラメ科が大きく2つに分かれる非単系統群であることを明瞭に示すことができた.さらに本目魚類から,4科で8パターンの遺伝子配置変動が発見された.
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