乳がん特異的チロシンキナーゼ(Brk) は,正常乳腺組織において発現していない一方,乳がん細胞の60%以上という高頻度で発現がみられる.特にtriple negative (エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER2の3つのマーカーが確認されない) の乳がんは予後不良であるが,ヒトTNBC由来の培養細胞および腫瘍組織でBrkの発現が確認されている.ヒト乳がん培養細胞において,STAP-2とBrk の存在によりSTAT3およびSTAT5bが活性化された結果、細胞増殖が誘導されるため,それぞれのタンパク質を高純度調製し,生化学的・構造生物学的な手法により評価した.
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