細胞質ダイニンの微小管親和性を制御する構造メカニズムを明らかとするため、微小管結合ドメイン(MTBD)の立体構造および微小管との複合体構造の解明を行った。まず、コイルドコイル鎖にS-S結合を導入して低親和性および高親和性状態に固定したコンストラクトMTBD-LowおよびMTBD-Highを構築し、NMRによる構造決定を行った。また、MTBD-Highと微小管複合体の立体構造をクライオ電子顕微鏡により解析し、単粒子解析法に基づく3次元再構成により、分解能9Å(FSC=0.5)の密度マップを得た。得られたNMR構造と電顕構造に基づいて、MTBDがMTとの親和性を制御するモデルを提唱した。
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