クロレラウイルスは分子量が10億にも及ぶ直径約2000Åの巨大な正二十面体対称を有した球状ウイルスである。カプシド表面に特徴的な突起構造やその内側に脂質二重膜を保持し、その内部に約400種類のもの蛋白質がコードされたゲノムを有している。このクロレラウイルスの立体構造をX線結晶構造解析の手法を用い原子分解能で明らかにすることを目指した。結晶構造解析のための大量調製系を確立し、結晶化スクリーニングにより微結晶を得るに至った。位相差クライオ電子顕微鏡により外殻表面のファイバー状構造体を明瞭に観察することに成功した。
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