申請者は、極長鎖脂肪酸含有リン脂質および極長鎖脂肪酸含有リゾリン脂質について、多段階MRM法を用いた半網羅的定量法を構築した。本法は、従来の網羅的測定法であるスキャン法では測定できなかった微量成分も測定できることから、元来微量にしか存在しない極長鎖脂肪酸含有リン脂質および極長鎖脂肪酸含有リゾリン脂質を効率良く定量できる。ノックアウトマウスと野生型マウスの脳由来脂質の比較をパイロット実験として行ったところ、従来法では約20の脂質分子種について有意差を検出したのに対して、本法を用いた場合、約200種類の脂質分子種について有意差を検出できた。
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