本研究課題はゼブラフィッシュを用いて、リゾリン脂質の一つ、リゾホスファチジン酸(LPA)の作用機序解明を目的とした。過剰なLPAシグナルは、癌、肺線維症等の様々な病態に関与することが示されているが、異常なLPAシグナル病態を引き起こす分子機構は明らかでない。代表者は個体レベルでこれを明らかにするため、ゼブラフィッシュを用いた。ゼブラフィッシュ胚にLPA産生酵素を過剰発現させたところ、二股心臓の表現型が見られた。この表現型は、スフィンゴシン1リン酸シグナル異常時に見られる表現型に酷似しており、過剰なLPAシグナルは、スフィンゴシン1リン酸シグナルを抑制する可能性を示した。
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