微細藻類が環境中に極微量しか存在しない必須元素セレン(Se)を効率よく利用するため編み出した、Se輸送体の同定を試みた。現在まで、亜セレン酸に特異的な輸送体の報告はなく、今回は同定のための活性測定系の構築を目指した。本藻の塩基配列がGCに偏っていることと、輸送体が膜タンパク質であることを考慮し、無細胞系による発現解析を試みた。その結果、リポソームを足場とすることで、膜タンパク質を合成することが出来た。また、種々の微細藻類が持っているSe化合物に共通性がある可能性を見出した。そのため、遺伝子操作が可能な藻類を用いた、ノックダウンによるSe輸送体の同定も活性測定と共に進める予定である。
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