ほとんどの真核細胞は繊毛・鞭毛と呼ばれる細胞小器官を持っている。近年の研究によって、繊毛・鞭毛を構成する全蛋白質が報告されたが、繊毛の機能や構造は存在する組織によって多様であり、その構造学的な違いは良く分かっていない。本研究課題では特に、マウスの様々な組織・器官に存在する繊毛・鞭毛に着目し、電子顕微鏡を用いた3次元構造解析を行った。その結果、気管繊毛と精子の鞭毛の3次元構造が明らかとなり、機能の違いと構造の関連性が解明されると期待している。また、繊毛構造の異常は様々な病気に関与しており、繊毛疾患(Ciliopathy)の原因解明や治療法の開発などに向けた基礎的な研究となる事が期待される。
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