生体分子の動態を細胞内で計測することは、生命システムを理解する上で欠かせないアプローチとなっている。分子の拡散係数、濃度、化学反応速度などの量を計測する方法として、蛍光相関分光法が広く用いられている。本研究では、光の回折限界を超える分解能で蛍光相関分光計測を実現するために、新規超解像顕微鏡法の開発に取り組んだ。光スイッチング蛍光分子を用いて、蛍光状態と非蛍光状態間での遷移過程を利用した手法を提案し、100nm程度の空間分解能を実現した。従来の計測領域に比べ、10分の1以下の体積に相当する。本手法は、超解像イメージング法としても新しい方法であり、広い応用を期待することができる。
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