研究課題
流れのON/OFF制御により、RPA-YFP標識ssDNA形態を伸張形態及びランダムコイル形態に制御し、DNA合成反応を直接観察した。ランダムコイル形態のDNA合成反応の場合、一時的に緩衝液を流しDNAの伸張させることで観察した。DNA合成速度は、伸長形態では91 bases/sec、ランダムコイル形態では52 bases/secであった。DNA合成速度の伸長形態はランダムコイル形態に比較し75%速かった。この結果よりDNAの形態がDNA合成酵素反応のDNA合成速度に影響を与えている事が示されたと考える。T7 Exoは5’-3’の方向へdsDNAを分解する酵素である。T7 Exoを含む緩衝液を一時的に供給したとき、dsDNAの自由端から単調に短くなる様子を確認した。この自由端からのdsDNAの分解反応はT7 Exoを含まない緩衝液を供給してから数分後に停止した。その後、このdsDNAの伸張の長さに変化はなかった。一方、T7 Exoを連続的に供給した場合、DNA分解反応途中で複数以上の反応停止がおこることを確認した。それらの停止以外はdsDNAの自由端から単調に短くなる様子を確認した。DNA分解反応の間に起こった停止はT7 ExoがdsDNAから解離した事を示したと考える。T7 Exo のDNA分解速度とprocessivityにおいて、T7 Exo を一時的に供給したときでは5.7 bases/secと6692 basesまた、T7 Exo を連続的に供給したときにおいて5.2 bases/sec と5072 basesであった。この結果、T7 Exoを一時的に供給したときと連続的に供給したときのDNA分解速度とprocessivityはほとんど同じであった。T7 Exoの供給方法を変化させることによりT7 Exo活性の性質を明らかにする事ができた。
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